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ノウムと申します。主に応援してるクラブはAtlético Madridです。他サポの方もよろしくお願いします。

【Laliga第10節アトレティコvsバルセロナ(H)】

お久しぶりです。さて、かなり間隔が空いてしまいましたが2週間の代表ウィークを経てリーガが帰ってきました。アトレティコからはスペイン代表にジョレンテが初招集&コケが復帰するなど良いニュースもありつつ、ウルグアイ代表に招集されたスアレスとトレイラが新型コロナウイルスPCR検査で陽性になるという心配なニュースもありました。特に古巣対決となるスアレスの欠場は注目度の高さはもちろん、チームに欠かせない選手だっただけに不在が試合内容に響くのではないかと心配する声もありました。

そんな中、アトレティコはワンダにバルセロナを迎えました。アトレティコはリーグ戦24戦無敗と絶好調。前節のカディス戦では数多のクラブに勝ち星をあげていたカディスに4-0の大差で勝利し、得点不足が嘆かれていた昨季とは打って変わって得点力の向上はもちろん、失点もわずか2と相変わらずオブラクを中心に本来の強みである守備面でも鉄壁ぶりを発揮しています。

対する昨季の優勝クラブであるバルセロナはリーグ戦7試合を消化し、3勝2分2敗と波に乗り切れていません。さらに、これまで4得点を決めチーム内最多スコアラーだったアンス・ファティが前節のベティス戦で負傷。コウチーニョが復帰するなど良いニュースもありつつ、今季からワントップを務めるグリーズマンは本来の力を発揮することができず、チームとして型を作れない状況のままアトレティコ戦に臨みました。

スタメン

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まずはアトレティコ。前半立ち上がりからあまり前からプレッシャーはかけず、後方でバルサを構える形で試合に入りました。システムは守備陣5-3-2、攻撃時3-5-2の可変システム。カラスコが左のWBを務めます。WBはベルギー代表では一応やっていましたが本職ではありませんし、代表では機能していなかったイメージがありますが果たして。

 

一方のバルセロナは攻撃時3-4-2-1、守備時4-4-2のシステムで臨みました。ボール保持時、右のSBのセルジロベルトが降りてきて3バックを形成、代わりに左のSBのアルバを1列あげて左肩上がりのような形で左サイドの幅をとります。メッシがゼロトップのような形で振る舞い、後半からグリーズマンをトップに置いてからは中盤に降りてゲームメイクをしていました。

 

デンベレに手を焼いた前半

バルセロナは前半、デンベレが躍動します。アトレティコの中盤は守備時3枚なのでサイドのスペースが空き、必然的に右サイドで高い位置をとっていたデンベレが度々フリーに。対峙したカラスコはディフェンスの選手ではないのでデンベレのスピードと緩急のあるドリブルに苦戦し、何度も右サイドを突破されていました。

秀逸だった右サイドの攻撃

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前半11分、アトレティコに最初のチャンスが生まれます。エルモソが右サイドに展開したところからトリッピアーが中央のコレアへパスをつけ絶妙なタイミングでスルスルと抜け出したジョレンテが強烈なシュートを放ちます。惜しくもこれはポストでしたが、同じような形で右サイドのファジーゾーン(曖昧なポジション)にトリッピアーが立ち位置を取ることでバルサのSHとSBの選手に混乱を生じさせ、さらに、ジョレンテがサイドラインと平行にフリーランすることでCBの裏を取りチャンスを作るといったシーンが何度もありました。ジョレンテは守備時中盤3枚の一角として奔走しながら、攻撃では自慢のスプリントを生かした効果的なフリーランで何度もバルセロナのラインを下げていました。トリッピアーも連続出場が続く中、守備では献身的な働きを続け、攻撃ではオーバーラップで右サイドを駆け上がり、ボールを呼び込んでいました。スアレス不在で中央からの突破が少なかった分、右サイドでジョレンテ、コレア、トリッピアーを中心にチャンスを作り、同様の攻撃が左サイドでも行われていました。

ボールを繋いだアトレティコ

ここが昨季までと違う所でアトレティコは守備の時こそ自陣に引きますが、今までのようなボールを奪うとロングパスでカウンターを狙うのではなく、後方からしっかりとボールを繋ぎます。後半のポゼッションは50-50でバルサ相手にこの数字はこれまでのアトレティコから大きく変化した点です。もちろん、ポゼッション率が高ければいいというわけではありませんが、エルモソを入れて3バックにすることでワントップ+守備免除のメッシで前からのプレスが弱いバルサ相手には後方からの球出しの選択肢が広がり、有効な策だったと思います。

 

得点シーン

アトレティコが自陣ゴール付近でボールを奪った所から生まれました。エルモソのカラスコを狙ったロングフィードのパスはピケにカットされますが自陣に引きこもるアトレティコ相手にバルサの選手達は前がかりになっており、ラインはかなり高くなっていました。それを見逃さかったコレアがこぼれ球を拾うと、同じくCBの裏へ抜け出したカラスコにパスを送ります。テアシュテーゲンがノイアーの如く飛び出してきますがあっさりとカラスコにかわされ、そのままボールは無人のゴールへ。これが決勝点となり、アトレティコが1-0でシメオネ政権で初めてバルセロナ相手にリーグ戦で勝利しました。

テアシュテーゲンの判断も軽率でしたが、バルセロナ守備陣のライン設定のミスと守備の脆弱さが露呈してしまいました。

まとめ

後半得点が取れなかったとはいえ、バルサ相手に勝利できたことは非常に大きいと思います。スアレス不在でも勝てたのはジョレンテカラスコといった選手の貢献が大きいでしょう。特にカラスコは慣れないWBをやりつつ、ゴールも決めているので文句なしのMOMです。(アシスト王コレアはこの試合もアシストしています。)しかし、エルモソの左SB起用がここまでうまくいき、カラスコがWBもできるとなると個人的にはロディの起用法が気になります。長いシーズンなのでうまくローテーションしながら使っていくとは思いますが、ロディorエルモソでシメオネ監督は頭を抱えるのではないでしょうか。(普通に左CBで使えば両方起用はできますが)

バルサに関しては前半デンベレが元気なうちは驚異となっていましたが、後半エルモソがカバーにいくようになると徐々に勢いがなくなり、同時に攻撃が停滞していました。グリーズマンはトップに固定されてから完全に消えてしまい、メッシが中盤まで降りていくようになったことで、デヨングが飛び出していくという本来のキャラクターとは合わないミスマッチが起こっていました。(挙げ句の果てには後半途中からはピケの負傷によりCBにコンバートされてしまいます。)やはり、ビダルラキティッチがいなくなったことで中盤からの飛び出しができる選手がいなくなってしまったことが要因でしょう。アルバ、メッシのホットラインもほとんど見られず、今後はメッシを中心にチームとしての型をどのように見つけていくのかが課題だと思いました。

さて、バルサに勝利したアトレティコですが、CLでは苦戦しており、次戦は因縁?の相手ロコモティフです。早くも優勝候補と言われていますが、partido a partidoの精神で目の前の試合を戦い抜いてほしいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!